名言「言志四録」~リーダーとは何か~ 言志晩録その2

リーダーのための聖書(バイブル)、『言志四録』より格言を厳選して紹介する。

『言志録』『言志後録』『言志晩録』『言志耋録』の4つからなる『言志四録』より、今回は言志晩録より抜粋した。

言志四録の中でも共感してしまう名言の多い言志晩録。あなたの心に響く言葉が見つかれば幸いである。

 

 

 

 

才有りて量なければ、物を容るる能わず。量有りて才無ければ、亦事を済さず。両者兼ぬることを得可からずんば、寧ろ才を舎てて量を取らん。(第125条)

訳:

人は才能があっても度量がなければ、人を包容することはできない。反対に度量があっても才能がなければ、事を成就することはできない。才能と度量と二つを兼ね備えることができないとしたら、才能を棄てて度量のある人物になれ。

 

 

 

 

 

果断は義よる来る者有り。智より来る者あり。勇より来る者有り。義と智とを併せて来る者有り。上なり。徒勇のみなるは殆し。(第159条)

訳:

思い切って断行する、ということは正義からくることもあり、知恵からくることもあり、勇気からくることもある。このうち、正義と知恵とを合わせてくる場合が、最良の決断である。単に勇気だけの決断は危険である。

 

 

 

 

 

我が言語は、吾が耳自ら聴く可し。我が挙動は、吾が目自ら視る可し。視聴既に心に愧じざらば、則ち人も亦必ず服せん。(第169条)

訳:

自分でいう言葉は自分の耳で聞くがよい。自分の立ち振る舞いは自分の目で見るがよい。自分で見、自分で聞いて、心に恥じるところがなければ、人もまた敬服するであろう。

 

 

 

 

 

 

愛敬の二字は、交際の要道たり。傲視して以て物を凌ぐこと勿れ。侮咲して以て人を調すること勿れ。旅獒に、「人を玩べば得を喪う」とは、真に是れ明戒なり。(第198条)

訳:

人を愛することと、自分を慎むことの「愛・敬」の二文字は、交際上で最も大切な道である。おごり高ぶった態度で、人を見下すべきではないし、人を馬鹿にして笑ったりしてはいけない。『書経』旅獒篇に「人を侮ったり、からかうことは、自分の徳を失うことになる」とあるが、これは誠に優れた戒めである。

 

 

 

 

 

人各分有り。当に足るを知るべし。但だ講学は則ち当に足らざるを知るべし。(第202条)

訳:

人はそれぞれ本分というものがあるから、人はその本分に満足して生活すべきである。だが、学問の場合だけは、どこまでも突き進んで満足してはならない。

 

 

 

 

 

怨に遠ざかるの道は、一箇の恕の字にして、争を息むるの道は、一箇の譲の字なり。(第213条)

訳:

人から怨まれないようにする方法は「恕」すなわち思いやりの一字である。争いをしない方法は「譲」すなわち一歩下がって譲るの一一字である。

 

 

 

 

 

 

人事百般、都べて遜攘遜なるを要す。但だ志は則ち師に譲らずして可なり。又古人に譲らずして可なり(第219条)

訳:

世間一般の事柄については、人より一歩下がって譲る心が大切である。だが、志だけは師や古人に対しても遠慮することはない。

 

 

 

 

 

 

父の道は当に厳中に慈を存すべし。母の道は当に慈中に厳を存すべし。(第229条)

訳:

父親たる者は、厳格の中に慈愛がなければならない。母たる者は、慈愛の中に厳格さがなければならない。

 

 

 

 

 

 

鋭進の工夫は固より易からず。退歩の工夫は尤も難し。惟だ有識者のみ庶幾からん。(第236条)

訳:

勢いに乗って突き進み、事を成すのは、もとより簡単なことではない。だが、それ以上に難しいのは、引退の時期を決めるときである。見識のある者だけが、それができる。

 

 

 

 

 

 

人は恥無かる可からず。又悔無かる可からず。悔を知れば則ち悔無く、恥を知れば則ち恥無し。(第240条)

訳:

人間は恥を知る心がなければならない。また過ちを悔い改める心がなければならない。悔い改めることを知っていれば、いずれは悔い改める必要がなくなり、恥じる心があれば、いつかは恥をかくことがなくなる。

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この記事を書いた人

文系で日本史専攻→システムエンジニア
世の中の役に立つシステムを開発・導入してます。
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