名言「言志四録」~リーダーとは何か~ 言志耋録その4

リーダーのための聖書(バイブル)『言志四録』より格言を厳選して紹介する。

『言志録』『言志後録』『言志晩録』『言志耋録』から構成される『言志四録』は、著者・佐藤一斎の書いた年代によって分けられている。

今回は一斎が最晩年に書いた『言志耋録』より抜粋する。

あなたの心に残る言葉がみつかれば幸いである。

 

 

 

 

 

人生は二十より三十に至る、方に出ずるの日の如し。四十より六十に至る、日中の日の如く、聖徳大業、此の時候に在り。七十八十は、則ち衰頽蹉陀して、将に落ちんとする日の如く、能く為す無きのみ。少壮者は宜しく時に及びて勉強し以て大業を成すべし。遅暮の嘆或ること罔くば可なり。(第328条)

訳:

人生の一生は、二十歳から三十歳まではちょうど、立ち昇る太陽のようなものだ。四十歳から六十歳までは、まるで日中の太陽のようで働き盛りの年代である。立派な徳を立て、大業を成すのはこの時代である。七十歳から八十歳までは心身ともに衰えて、仕事は思うようにはかどらない。あたかも西に沈まんとする太陽のようで、もう何事もなすことができない。だから、元気旺盛な若者は、勉強すべきときに大いに努力して、大きな仕事をなし遂げるがよい。年老いてから「日暮れに道遠し」と嘆くことのないように。

 

 

 

 

 

 

身には老少あれども、而も心には老少無し。気には老少有れども、而も理には老少無し。須らく能く老少無きの心を執りて、以て老少無きの理を体すべし。(第283条)

訳:

身体でいえば年寄と若者の区別はあるが、精神的なことには差はつけられない。体の働きには老若の違いはあるが、道理を行ったり考えたりするのには関係ない。だから、このような差にこだわらずに、永遠に変わらない道理を体得していかねばならない。

 

 

 

 

 

 

遠方に歩を試みる者、往往正路を舎てて捷径に趨き、或は謬りて林芥に入る。嗤う可きなり。人事多く此れに類す。特に之れを記す。(第266条)

訳:

遠方へ行こうとするとき、ややもすれば正規のルートを外れて、近道を選んだりするが、結局は道に迷って遅れることがある。バカな話である。人生往路でも、これに類することが多いので、とくに記しておく。

 

 

 

 

 

 

女子を訓うるは、宜しく恕にして厳なるべし。小人を訓うるは、宜しく厳にして恕なるべし。(第161条)

訳:

婦女子を教え諭すときは、まず思いやりの言葉を先にかけ、次に厳しい言葉をかけてやるのがよい。だが、ふしだらな者を教え諭すときには、最初に厳格な言葉、次にやさしい言葉の順で諭すがよい。

 

 

 

 

 

 

小児を訓うるには、苦口を要せず。只だ須らく欺く勿れの二字を以てすべし。是れを緊要と為す。(第162条)

訳:

子どもを教え諭すときは、あれこれと苦言をいうことはない。「嘘をつくな」の一言だけでよい。これが最も大切なことである。

 

 

 

 

 

 

我れ恩を人に施しては、忘る可し。我れ恵を人に受けては、忘る可からず。(第169条)

訳:

自分が恩を人に施した場合は、忘れてしまったほうがよい。逆に、自分が恩を受けた場合は、決して忘れてはならない。

 

 

 

 

 

 

 

旧恩の人は、疎遠す可からず。新知の人は、過狎す可からず。(第172条)

訳:

昔、恩を受けた人は、たとえ自分がいかなる地位にいようと、疎遠にしてはいけない。また、新しく知り合った人とは、あまりなれなれしくしてはいけない。

 

 

 

 

 

 

名の干めずして来る者は、実なり。利の貪らずして至る者は、義なり。名利は願う可きに非ず。但だ干むると貪るとを之れ病と為すのみ。(第205条)

訳:

自分が要求しないで得られる名誉は、その人の実績によるものである。がめつく要求しないで得られる利益は、正しく行った成果である。このような名誉と利益は遠慮すべきものではない。ただ、みずから名誉を求めたり、利益をむさぼるというのは、弊害をもたらすだけである。

 

 

 

 

 

 

毀誉得喪は、真に是れ人生の雲霧なり。人をして昏迷せしむ。此の雲霧を一掃すれば、則ち天青く日白し。(第216条)

訳:

人から中傷されようが誉められようが、得しようと損しようと、そんなものは人生の雲や霧のようなものである。ましてや、このようなもので心を暗くし、道を迷ってはつまらない。この雲や霧をさらりと払いのければ、よく晴れた青空のように人生は明るいものとなる

 

 

 

 

 

 

真勇は怯の如く、真智は愚の如く、真才は鈍の如く、真巧は拙の如し。(第239条)

訳:

真の勇敢な者は慎み深いので臆病のようであり、真の知恵ある者はよく考えるので愚者のようであり、真に才能ある者はその才能を隠しているので愚鈍のようであり、真の巧者は素人には分からないので、かえって下手のようにみえる。

 

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この記事を書いた人

文系で日本史専攻→システムエンジニア
世の中の役に立つシステムを開発・導入してます。
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