少子高齢化時代における介護について考える

日本が抱える大きな問題は少子高齢化問題である。

極めて深刻な問題であり、危機感を国民一人ひとりがもち高齢者社会にむけて支え合える環境創りが必要だ。

そのなかで、今回は介護に関する問題を論点に挙げたい。

少子高齢化と社会保障費の増加の一因である介護は切っても切れない関係にある。

 

 

 

 

国民医療費・介護給付費は年に1兆円増え続けている。

医療費の三分の一、介護費の9割が75歳以上の後期高齢者に支払われているのが現状である。この二つの費用をいかに抑えるかが日本の財政のポイントでもある。

日本は認知症の人が世界的にみても多い。そのうち15%は精神病院に入れられている。

これから先増え続ける高齢者と減り続ける労働者が待っていることを考えると、将来は明るくない。

 

 

 

 

介護の問題によく取り上げられるのが、介護士の人手不足と低賃金の問題である。

厚労省の発表では、2025年までに55万人の介護士を増やさないといけないデータを出している。深刻な人手不足に陥っていることが分かる。

そしてその上、低賃金で生活が苦しいという理由で離職する介護士の方が後を絶たない。重労働低賃金というのが現在の介護業界の実態だ。

これでは高齢者を介護する体制がまったく整っていない状態で超少子高齢化社会を突き進むことになる。

 

 

 

 

 

増え続ける高齢者に対する介護の問題は、病院で介護士がお世話をするというスタイル自体を変える必要がある。

病院やホームで生活をするようになった高齢者の方の衰弱の速度は非常に速い。2~3年たてば助けをもらわないと一人で生活できないところまで弱ってしまう。

その上病院やホーム生活は当然だがコストがかかる。

お金もかかるし高齢者の方も弱ってしまうという構図になってしまっている。

 

 

 

 

 

 

高齢者の方の社会参加なくして、超少子高齢化社会を乗り越えることはできないだろう。若い世代が高齢者を支える時代になるのではなく、高齢者の方たち自身がお互いに社会参加していく社会にならなければいけない。

そうしなければならない状態の場合は別だが、何も生活できるのに危ないからという理由で病院やホーム生活を高齢者に強いる必要はない。自宅でいままで通り生活してもらった方がコスト面も健康面もずっと良い。

しかしそのためには今の社会が変わる必要性がある。

高齢者の方が社会参加しやすい社会をつくることが必要だ。特に、高齢者の方と子どもとの関わりをもつコミュニティをつくり、社会全体が関わり合う世の中だ。

社会参加が認知症の予防・進行の遅延に効果があることも分かっている。これからは、高齢者や認知症の人をまとめて病院・ホームに送り込んで若者が働いて支えようという考えは捨てなければならないのではないか。そういった人たちが社会参加できる世の中こそが、少子高齢化社会のあるべき姿のように思える。

そのためにはこの先さらなるテクノロジーの発達が不可欠だが、それ以上に私たちの考え方を変える必要がある。高齢者の方たちと共に生きる社会というものを日本国民が理解していて初めて実現できる未来となる。

 

 

 

 

 

2060年には人口の40%が高齢者になると言われている。

そして2015年で1億2709万人だった人口は2055年には1億人を切るとも言われている。

この現実を受け止め、考え方を変えていくことが私たちに必要とされている事のように感じる。

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