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みたいな、いわゆるネットビジネスの勧誘が最近はさかんに見かける。
怪しいことこの上ないため、みな近づかないだろうと思っていたが、意外とこういった宣伝をするセミナーに参加してしまう人、特に大学生、が多くて驚いた。
こういった商法のセミナーを行っている団体の実態をここで暴く。
私がそういった団体に興味を持ったのは、実体験に基づく。
幼稚園から親交のある、親友と呼べる友がそういうセミナーの受講者になった。絶対に稼がせます。の決まり文句にやられて何気なく通っていた大学の意義を見出せなくなり、とうとう大学もやめた。
私はそれを聞いて心底心配した。大丈夫なのか、そこではほんとうに稼げるようなノウハウを教えてもらえるのかと。しかし、私の心配をよそに彼の目はキラキラ輝いていた。自分のかがやかしい将来を見ている様子であった。
親友をAと呼ぶことにしよう。
私はそういった団体の関係者と話す機会がくるとは思っていなかったので、いろいろ聞いてみたくなって質問を投げかけたが、Aは、これは口外したらいけないことになっているんだ、ごめんといって一向に教えてくれる気はないようだった。
なるほどそうかと思って私はそのセミナーに興味がある。と言ってみた。そうするとAは私をセミナーに呼んでくれた。おそらく、怪しい事をしていると思われたくなくて言わなかったが、身内ができるのは嬉しいことなので呼んでくれたのだろう。
そして私はついてネットビジネスセミナーといわれるものへ足を踏み入れた。
会場はとあるビルの会議室のような一室だった。お金を出せばだれでも借りれる場所で、怪しい所ではなった。
Aと共に行ったのだが、そこにはAと志を同じくするAの知り合いが多数いた。しかし、その知り合いを含め会場にいる受講生らしき人々はほぼ全員が18~22歳の人たちだった。
そして、セミナー講師の人が現れた。
Aは私に、あの人はすごい人だよと教えてくれた。色々な事業をしていて、お金もいっぱい持っているんだ!だそうだ。色々な事業とは?例えば何をしているんだろう?答えは闇の中だった。
そして講演がはじまった。その回は私が呼ばれたように、入会していない人でも参加できるセミナーだった。話は簡単にまとめると、
・今の時代に就職しても一生貧乏ということ
・私たちが年金をもらう年になっても国民年金に払った額のほうが高くなり必ず損になること(これは真実だ)
・これからはインターネットをつかって自分で稼ぐ時代だということ
・今の日本は格差社会が進行しており、就職して働いても貧困層からは一生抜け出せないということ(これに関しては的を得ているが世界を見渡せば議論は通貨発行権まで到達する果てしない問題になってしまう)
・私(自称富裕層カリスマセミナー講師)は皆さんと同じでしたが今や成功者です話
といったセミナーだった。
率直な感想として私の貴重な時間を返してくれの一言に尽きる。
おもしろいのは、事あるごとに最後の項の私はすごいですお金持ってますみんなもこうなれるんだ、という話をはさむことだった。伝えたい事はおそらくこれだったのだろう。
その他の社会情勢については的を得ているのが憎たらしい。本やニュースを読んでいる人からしたら常識的な話なのだが、遊びとバイトに明け暮れている大学生にとっては相当刺激的な話なのであろう。会場は羨望のまなざしで講師を見つめていた。
本当に申し訳ない話なのだが、私にはその人がどうしても金持ちには見えなかった。どちらかというとみすぼらしい雰囲気だった。人は見た目で判断できるものではないことは承知している。しかし、私には何を仕事にしているか公にしている本当にお金持ちという人と何人か親交がある。彼らからあふれ出るお金持ちオーラというものをカリスマ講師さんから感じなかった。
そして、セミナーが終わって
「こんなものか」
と思ってAと帰ろうとしたが、何やらそのスクールの幹部ですごい事業をしている人とお話しさせてもらえるらしい。正直なにがすごいのか説明してほしいところだったがとにかくすごい人らしい(笑)
Aも真剣そうなので付き合うことにした。
場所はコメダ珈琲。
行ってみるとその人はいた。Aと三人で話すことになった。
内容は、これから就職の道を選んでも未来はないけどどうするの?決めるのは今しかないよ?的な話だった。
しょうもなさすぎて私は留学に行くからとりあえず世界を見てそれから考えることにすると言って帰った。
しかし面白いことに、後日なぜかまた違う幹部の人とAと三人での話し合いが取り決められた。
私は思った。
「A。お前、バリバリ勧誘してくるやん。」
時期はセミナーから一週間後だった。
弾丸企画もいいとこである。
そこではまた同じような内容でなぜか私は責め立てられ、このままだと一生負け組だよと不快な言葉を、それしか言葉を知らないインコのように浴びせられた。
うまいこと流して帰るタイミングを見計らっていると、何故か契約書にサインする段階になっていた。
そこに関してはプロの力をみた。(そこだけしか見れなかったが)
気がついたら契約書にサインする形になっていたのだ。
「あとはあなたのサインだけです。これであなたも私たちと同じ一員です。」
ということだった。
もちろんそんなアホくさいものにサインするわけがなくうまいこと言いくるめて帰った。
しかしその日私は確信した。
Aは騙されていると。
ちなみに、その契約書にサインするとその人は自動的に50万円の支払い義務が生じるようになっていた。
私はこの一連の経験を未だに思い出せる。
それくらい衝撃的なことだった。危うく詐欺に遭うところだったのだから。
そこで前に呼んだ宗教を科学者が真っ向から批判した本のことを思い出した。
神や聖霊、カリスマや都市伝説など宗教的要素の強いものに惹かれたり崇拝したりするのは知識のない愚か者のすることだ。
宗教の生まれた紀元前ならともかく、現代科学はほとんどの神の仕業とされてきたものを証明できるし、ほぼすべての現象を論理的に説明できる。それを知らない者ほど宗教に惹きこまれる。
カール・セーガン氏の『悪霊にさいなまれる世界』からの引用である。(本文が英語のため訳に人よって多少違いがあるかもしれない)
簡単に要約すると、現代人が今信じているUFOや異星人、火星や他惑星にある人工物などの話は、科学者からしたら今のところ偽物でしかない。しかしマスコミや出版社が好んで報道するのは無知な者がその知識を得ることに魅力を感じるからだとしている。
私は、ネットビジネスなどの勧誘はこれらに近いものであると断言する。
社会情勢や貧富の差の話を出して不安を与えておいて、でも大丈夫、私たちと一緒にお金を稼ごう、やり方や知識を教えようとなると、まるで彼らが救世主のように見えてしまう。
彼らは一種の新興宗教団体のようなものにすぎない。
知識のないものの不安をあおり、入会金を払わせる宗教団体だ。最悪でしかない。
人の信じる心を逆利用している集団だ。
これを読むと、あれ?でも稼げるように教えてくれるんでしょ?
と思ったかもしれない。
しかし安心(?)してほしい。
大学をやめてキラキラした目でネットビジネスを語っていたAは、あれから2年がたったが未だにバイトをしないとやっていけない状態で消費者金融からもお金を借りている状況だ。話をきくと今年中に芽が出ないなら就職するとのこと。
入会金の50万円は、高すぎる。
しかし、たしかにネットビジネスで成功する人もいる。それは事実だ。しかし、この記事を読んでまだ入会してネットビジネスで稼ごうと思っている人がいるなら忠告しておこう。
そういう人たちは入会金のかかるような団体に入会せず自分で稼ぎ始める。
どうやってと思うだろう。そのどうやってに答えを見つけたから彼らは一握りの成功者になっている。どうやっては自分で見つけるものだ。どうやってを教えてもらえる世界だとしたら富裕層はもっと多い。現在の貧富の差を見て安心してほしい。教えてもらって成功できるならこんなデータにはなっていない(笑)
私の親友Aはネットビジネスの誘い文句を信じて大学を辞めてかなり切羽詰まっている。
もしあなたが詐欺まがいの宗教団体である、入会金ぶんどりスクールに入ることを悩んでいる、もしくはそういう友人がいるのなら、やめたほうがいい。
稼ぎかたは自分で見つけるものだから。
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