人類がついにブラックホールの撮影に成功した。
ブラックホールという言葉は聞き馴染みある言葉だが、いままで目に見える形で姿をとらえたことはなかった。間接的な証拠から存在を確信していた。
それを今回撮影に成功し、動かぬ証拠を得ることができた。
*ブラックホールとは?
強い重力で近くの物質や光をのみこむ特殊な天体。重い星が大爆発を起こした後に生まれるとされている。一般相対性理論に基づき、1916年に存在が予測された。70年代以降、周辺から出るエックス線などの観測で存在が確認されたが、姿を捉えられたことはなかった。
日米欧などの国際共同研究グループが10日、銀河の中心にある巨大ブラックホールの撮影に初めて成功したと発表した。世界の8つの電波望遠鏡を連動させ、極めて解像度の高い巨大望遠鏡にみたてて観測した。
今回使用された望遠鏡は、チリ・メキシコ・アメリカ・スペイン・南極にある8つである。これにより、地球サイズの巨大望遠鏡を仮想的に実現した。これは宇宙深部の観測に使われるハッブル望遠鏡の2千倍の解像度を誇る。
この解像度は月面にあるゴルフボールを観察できるレベルである。
ブラックホールは直接見えないため、ブラックホール本体の代わりに、周囲で生じる電波を観測した。ブラックホールの外側では重量で吸い込まれるガスなどがエックス線や電波を出す。この電波を詳細にとらえ、データを解析してブラックホールの黒い影を浮かび上がらせることに成功した。
宇宙には無数の星の集まりである銀河が少なくとも数千億あり、その中心には巨大ブラックホールが存在するとされる。研究グループは地球から5500万光年離れたおとめ座のM87銀河にある巨大ブラックホールを2017年に撮影し2019年4月10日に画像を公開した。
分析によると撮影したブラックホールの質量は太陽の約65億倍。画像の周辺に直径およそ1千億キロメートルの光の環が映し出された。
観測技術や膨大なデータを処理するコンピューターの性能が飛躍的に向上し、理論上の存在だったものが実際にとらえられるようになった。
観測技術の改良が進めば地球からさらに離れたブラックホールを撮影できる可能性がある。データ解析の手法は人工知能や通信にも応用されはじめており、産業への貢献も期待される。
以上、日経より引用。
ブラックホールの撮影可能までに、技術が進歩した。その立役者となったのは膨大なデータを処理できるコンピュータの誕生だ。これは人工知能(AI)やIT技術の進歩にも期待されている。
5Gサービス開始を控え、次世代技術への期待が高まる中、ブラックホール撮影に成功したことは世の中への影響は大きい。
驚きなのが、地球サイズの巨大望遠鏡に見立てた8つの望遠鏡の協同により月面のゴルフボールを観察できる解像度を得たことだ。そして、ハッブル望遠鏡の2千倍の解像度でる。
宇宙の果てを見ることは不可能とされているが、もしかしたら、宇宙の果てを確認し、宇宙の始まりを知る日が来るのかもしれない。
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