ルータとは?についてIT初心者の方にもわかるように解説します。
誰でもわかる!を目的に書いていますので是非ご覧いただければと思います!
ルータとは
ルータは、コンピュータネットワーク上において異なるネットワーク間の中継器です。主にインターネットなどのTCP/IPネットワークにおける主要な中継機器として用いられます。
ルータの定義
ルータはネットワーク層(インターネット層、第3層)で動作する機器で、データの転送の可否や転送先の決定などを行います。
一言で言えば、端末とインターネット世界の窓口みたいな存在です。通信の行き先を見て、正しい送り先に届けてくれます。
パケット(データの単位)を解析し、IP(Internet Protocol)の制御情報を元に転送制御を行います。
最も重要な処理は「ルーティング」で、パケットの宛先IPアドレスから適切な転送経路を選択し、次に転送すべき相手を決定してパケットを送信します。ルーティングについては後ほど詳しく解説します。
OSI参照モデルとTCP/IPの階層モデルでの位置
ここではOSI参照モデルとTCP/IP階層モデルというものを解説します。
ルータについてとはちょっとズレた話になってしまうので、飛ばしてしまっても全く問題ありません!
IT知識に興味のある方は読んでみると面白いかもしれません。
どちらもまあ似たようなモデルなのですが、両者で層の分け方や名称が若干異なったりと何ともややこしいです。
OSI参照モデル
OSI参照モデルは、コンピュータネットワークの通信機能を7つの階層に分割し定義したものです。1982年頃にISO(国際標準化機構)とITU(国際電気通信連合)によって策定され、異なるネットワークアーキテクチャを1つに統一する目的で始められました。
以下に各階層の役割とプロトコルの例を示します:
- アプリケーション層 (第7層):
- ソフトウェアの通信規則を定めます。
- HTTP、FTP、DNS、SMTPなどのプロトコルがここに属します。
- プレゼンテーション層 (第6層):
- データの表現形式や暗号化を担当します。
- SMTP、FTP、HTMLなどが該当します。
- セッション層 (第5層):
- 通信手段を提供し、TLSやHTTPSなどが含まれます。
- トランスポート層 (第4層):
- エンド間の通信制御を行います。
- TCP、UDPなどがここに属します。
- ネットワーク層 (第3層):ルータはここに該当します!
- データを送る相手を決定し、最適な経路で送信します。
- IP、ARP、ICMPなどが該当します。
- データリンク層 (第2層):
- 隣接する機器同士の通信を実現します。
- Ethernet、PPPなどがここに属します。
- 物理層 (第1層):
- 物理的な接続と電気信号を扱います。
- UTPケーブル、光ファイバーケーブルなどが該当します。
このモデルはネットワーク通信の複雑なプロセスを理解しやすくするためのツールであり、ネットワークエンジニアや管理者にとって重要な基本概念です。
TCP/IP階層モデル
TCP/IP階層モデルは、インターネット上でデータをやり取りするための階層的なフレームワークを提供します。このモデルは、データの送受信を円滑に行うために、4つの主要な階層から構成されています。これらの階層は以下の通りです:
- アプリケーション層: アプリケーションで扱うデータのフォーマットや手順を決める役割を担います。主なプロトコルには「HTTP」「SMTP」「POP3」「IMAP4」「DHCP」「DNS」などがあります。HTTPはWebブラウザで利用され、SMTPとPOP3は電子メールソフトで利用されます。
- トランスポート層: データを適切なアプリケーションに振り分ける役割を果たします。主なプロトコルはTCPとUDPです。TCPはデータの信頼性を確保し、再送などを行って通信を確実にします。一方、UDPは素早くデータを送信する際に適した方法で、リアルタイム通信に使用されます。
- インターネット層:ルータはここに該当します!
複数のネットワーク間のデータ転送を行います。ルータを介してネットワーク間のデータ転送を行い、「ルーティング」と呼ばれます。主なプロトコルは「IP」「ICMP」「ARP」などです。 - ネットワークインターフェース層: 同一のネットワーク内でデータを転送する役割を持ちます。
異なるネットワーク間の中継器としての役割
ルータの役割は以下の通りです。
- ネットワーク接続の実現:
- ルータは異なるネットワーク(例:ローカルエリアネットワークとインターネット)を接続する役割を担っています。
- パケット(データの単位)を受信し、適切な経路を選択して次のネットワークに転送します。
- IPアドレスの変換と管理:
- ルータはNAT(Network Address Translation)を使用して、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスの変換を行います。※NATについては後述します。
- グローバルIPアドレスを複数のデバイスで共有できるようにします。
- セキュリティとフィルタリング:
- ルータはパケットフィルタリングを行い、不正なトラフィックをブロックします。
- ファイアウォール機能を提供し、ネットワークのセキュリティを強化します。
- ルーティングと最適経路の選択:
- ルータはルーティングテーブルを参照して、パケットの最適な転送経路を決定します。
- パケットを目的地に効率的に転送するために、ルーティングプロトコルを使用します。
ルータの機能
ルーティング
ルーティングは、コンピュータが送信したデータ(パケット)を宛先のコンピュータまで適切に転送する処理のことです。このプロセスでは、単に通信の道案内をするだけでなく、通信が渋滞しないように一番効率的なルートでデータを届ける仕組みを提供します。
ルータはパケット(データ)を受け取ると、パケットが持っている行き先情報を見て、適切なデータ送信先を決定します。そしてその行き先へパケットを送信します。
ルーティングテーブルと最適経路の導出
ルーティングにはルーティングテーブルなるものを参照しています。
ルーティングテーブルは、ルーター内で経路情報を指し示す経路表のことです。
もう少し詳しく説明すると、ルーターを通過するデータのヘッダー情報と照らし合わせて、「このパケットを正しく届けるために次はどのルーターにデータを引き渡すと効率的か」を記載してあるテーブルのことです。
スタティックルーティングとダイナミックルーティング
スタティックルーティングとダイナミックルーティングは、ネットワーク内の経路情報を管理するための2つの異なるアプローチです。
- スタティックルーティング:
- 手動で設定されたネットワーク内の最適な通信経路を指します。
- ネットワーク管理者が各ルーターに対してリモートネットワークのルート情報を手動で設定します。
- ルーティングテーブルは人の手で更新され、設定が変更されることはありません。
- 小規模なネットワークでは適していますが、大規模なネットワークでは設定の負担が増えます。
- ダイナミックルーティング:
- ネットワークの更新に応じて、経路情報が自動的に修正・更新される方法です。
- ルーター同士が情報交換を行い、最適な通信経路を動的に選択します。
- リモートネットワークを洗い出す必要がなく、自動的に変化するため冗長構成を組むことができます。
どちらを使用するかは状況に応じて決定されます。スタティックルーティングは安定して動作しますが、手動で設定する必要があります。一方、ダイナミックルーティングは自動的に変化するため、ネットワークの変更に迅速に対応できます。
NAT(Network Address Translation)
プライベートIPアドレスからグローバルIPアドレスへの変換
プライベートIPアドレス(ローカルIP)からパブリックIP(グローバルIP)へ変換をしてくれます。
NATの役割といえばこれです。
IPアドレスという新たな言葉が出てきてしまって申し訳ないですが、IPアドレスといえば簡単にいえばインターネット上の住所のことです。通信を行うには通信元と通信先がお互いにIPアドレスを持っている必要があります。
※詳しくは以下の記事を参考にしてください。
インターネット経由で通信を行う場合、パブリックIPアドレスが必要です。
ルータなどNAT機能をもつ機械は、パソコンやスマホなどの端末がインターネット通信を行うためのパブリックIPアドレスを提供してくれます!
基本的に端末側は自身ではプライベートIPアドレスしか設定できないため、NAT機能を持つ機械が別途必要なんです。
ルータまとめ
ルータは端末とインターネット世界の窓口です。
パソコンやスマホなどの端末をインターネット通信できるようにしてくれます。
NATという機能によって端末にパブリックIPというインターネット通信するための設定をしてくれます。
今やインターネット通信を行うスマートデバイスはあちこちに存在しています。
そのためルータも大量に流通しています。
最近ではWiFiを提供しているお店も多いですが、そのお店の中にはWiFiルータが必ず設置されています。
ルータについて理解が深まりましてでしょうか。
読む前より「わかった!」と思っていただけていたら幸いです!
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