日本の物質的豊かさは低い!子どもを産む前に読んで欲しいお金と幸福の話

人生観

子どものいる幸せな家庭を築き豊かな生活をおくる。

これは人間的な欲望である。

少子高齢化や晩婚化が進む現代だが、子どもが欲しいと望むのは人間的な欲求である限り、子どもを授かることを考えることはなくならない。

しかしここで、子どもをつくろうと考えている人たちに、現代社会の現状から注意してほしいことを述べる。

この記事では幸福と貧困の観点から論ずる。これからのお母さんお父さんに是非読んでいただきたい。

 

 

子どもが幸せに成長できる環境か

産むのはすべて親の都合

当たり前の話から入る。

子どもが生まれたいといってある日突然産まれてくるわけではない。全て親と自己都合でうまれてくる。子育てしていて何年か後に「あんたなんて欲しくなかった」なんて事は100%ありえないという事を心得ていてほしい。

子どもがどう育つかは子どもの要因もあるし親、環境の要因等がある。そこに関してとやかく言うつもりはない。しかし、子どもを家族に迎え入れる選択をした以上は何があっても大切にしなければいけない。

甘やかして育てろというつもりは全くない。しかし、大切に育て上げるべきだ。

いま現在、それができる環境かどうかをしっかりパートナーと相談・確認してほしい。

 

日本の子どもの幸福度は世界6位

国立社会保障・人口問題研究所によると、日本の子どもの幸福度は世界6位である。大変すばらしい結果だ。

オランダ、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンに次いで日本の順だ。北欧の子ども教育の素晴らしさを改めて思い知るが、日本がそこに食い込んでいるのは大変喜ばしい。

その中でも日本は教育の分野・日常生活上のリスクの分野、計2つの分野で1位だった。

こうみると、日本はまるで子育て大国かのようにも感じる。

たしかに、データからわかるように日本の子どもは恵まれた環境で育てられる要素はある。教育は中学校までは無償で受けられる上、高校も公立であれば無償で済む。大学さえも国立に合格すれば安く卒業させてあげることができる。教育に関しては国によってまちまちだが、ランキング上位に食い込んだ北欧の国々は総じて教育にかける政府のお金は多い。子どもの義務教育という環境は幸福度と関係しているようだ。

また、日常生活上のリスクについても高い評価を得ている。日本は大変きれいな国であり、水道水は飲めるし上下水道はしっかりと整備されている。病原菌に感染するリスクも少なく、医療も充実している。

こういった日本の素晴らしい点はこれからも継承され、補強されていくべきだろう。

しかし、私が子どもを産むことに警鐘を鳴らしている理由は別にある。

 

 

貧困のサイクルからは抜け出せない

日本は金銭的に子育てしづらい国である

日本が二つの分野で1位、全体で6位の子どもの幸福度を獲得した。しかし、別の分野では日本の抱える問題が浮き彫りになった。

物質的豊かさの分野では21位だった。

これは全体で下位グループに属する。つまり、日本は先進国のなかで子どもの貧困率が高いのだ。

特に、母子家庭の貧困率は世界で突出して高いのも特徴。日本の家族には金がないのだ。

一般的に、子どもを大学卒業までの22年間育てるとなると1640万円かかる。こどもを考えている夫婦はもちろんお金のことも相談していると思うが、子どもをしっかり育て上げる上で大学を卒業させることを前提としてお金を考えた方がいい。

また、日本人の平均年収は約441万円である。月収手取りに換算すると月約29.5万円。一般的な生活をしたとしてシミュレーションすると、首都圏一人暮らしだと余裕のある生活、首都圏夫婦2人暮らしだと標準的な生活、子ども一人いる夫婦となると困窮してしまい、また首都圏だと生活が成り立たないと計算されている。

 

日本で貧困のサイクルに堕ちると抜け出せない

経済産業省、次官・若手プロジェクトの報告によると、貧困が連鎖するサイクルになっているとされる。

まず、教育資金は年収に比例する。これは当然の話だ。年収が高い家庭ほど教育資金に高く費やせる。

世帯年収別の一人当たり年間教育費(中学三年時)は以下の通りである。

年収300万円 33万円/年
年収500万円 45万年/年
年収700万円 53万円/年
年収900万円 67万円/年

 

また、親の年収は子どもの大学進学率にも影響する。

高校卒業後の進路として、多くの親が大学を考えていると思う。四年制大学の進学率は年収が高い世帯ほど高くなっていく。四年制大学進学率が50%を超えるのは年収400万円~599万円の世帯以上からだ。つまり、日本の平均的な年収でも約半分の世帯しか四年制大学へ通っていない。さらに、子どもの浪人率は年収の高い世帯ほど高い傾向。子どもを一年間塾に通わせる余裕のある家庭というわけで、当然四年制大学への進学率も高くなる。

逆の傾向として、高校卒業後の就職率は年収が低い世帯ほど高い。また、専門学校・短大への進学率も年収が低い世帯ほど高くなっている。

大学へ行くことや学歴だけが全てではない。だが、この結果は世帯年収と子どもの進路の因果関係を覚えておいてほしい。

 

次に最終学歴別の雇用形態内訳によると、中卒で62%、高卒で43%、高専・短大卒で40%が非正規社員となっている。ちなみに、大卒の非正規社員率は20%まで落ちる。

学歴が全てではないが、学歴と非正規社員の雇用率は相関関係にあるのは事実だ。

雇用形態別の平均年収によれば、非正規社員は正規社員の1/3の年収であるとデータがでている。

これが今の日本の現状だ。

 

まとめると以下のようになる。

①日本の平均年収は441万円である。

②441万円は家族3人で生活するには十分ではない額である。

③子どもの大学進学率は50%のゾーンであり、高卒で非正規となる可能性がある。

④非正規になった場合正社員に比べて年収は1/3にとどまる。

⑤こどもが大人になり家庭を築こうと考える

⑥ ①にもどる

 

これが貧困のサイクルであり、日本の社会システムだと一度陥ると抜け出すことは難しい。理由は、国は子どもではなく高齢者の方にお金を回しているからだ。シルバー民主主義という言葉に代表するように高齢者が国の財源をほとんどとっていってしまう。

税金と保障による所得の再分配も恩恵はこどものいる世帯よりも高齢者の方に恩恵がある。ここに、日本が世界的に見て物質的に貧困している理由が隠されており、子育てしずらい理由である。

 

これが現状であり、さらに少子高齢化も進んでいるというヤバい状況にいるのが日本だ。

しかしながら、子どもを育てるというのは人間の幸せであり素晴らしいことである。子どもを育てる計画を立ててる人たちはこれを読んで、特に資金面で話し合ってほしい。

解決方法の一つは共働きだ。共働きなら子どもに余裕のある教育資金を充てることができる。しかし子育てが疎かになるというデメリットもはらんでいるためお勧めとは言いずらい。

この記事を読んで、パートナーともう一度話し合い、その上で幸せな家庭を築いてもらいたい。

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