新卒一括採用が廃止決定!これからは通年採用へ移行

ひとりごと

新卒一括採用が終わりを告げようとしている。

経団連は2019年4月22日、新卒学生の通年採用を拡大することを大学側と合意し正式に発表した。

日本独自のシステムだった「新卒一括採用」。以前から様々な問題点が指摘されてきたが、とうとう通年採用が一般化する時代がくる。

 

 

新卒一括採用から通年採用に変わることで、留学生も就活がしやすくなり、企業も外国語が話せる即戦力となる人材が確保できる点。そしてITなど専門分野のスキルを持った学生を採用しやすくなり、アメリカ式のジョブ型採用のようなスタイルで採用できる点などが利点となる。

2019年4月現在では、大学3年生の3月に就活解禁となり、6月に面接がスタートという就活ルールがある。しかし、それ以前からインターンに参加した優秀な学生に内定を出している企業は数多く、就活解禁時に内定をもっている学生は就活生の4分の1に達している現状があった。

通年採用では、このようなインターンの実施・参加はそのまま内定へのルートとなるだろう。ITなど専門分野のスキルを持つ学生への囲いこみは今よりも激しくなりそうだ。

新卒一括採用には、就活のため4年時の学業が疎かになるという問題もあった。実質3年間のみの学業では勉強不足という声も多かった。そのため、通年採用に移行した際に、併せて卒業要件の厳格化を求める声もある。世界に通用する人材を育てるため、文系理系を問わず基本的な数学やデータ分析力を養い、語学や教養の習得を目指すべきなのは確かである。

 

 

 

日本の就活は異様なものであると思う。

それは新卒一括採用というルールの下で行われていることが原因のように思える。授業にバイトに遊びに、人それぞれのキャンパスライフがあるが、その中でインターンなどに参加している学生は「意識高い系」などと呼ばれる。就活前にインターンに参加していることは素晴らしい事なのだが、少し特殊扱いされていることがうかがえる。なぜそうなるのか、それは1,2年次にインターンに参加することや就職について考えている大学生の方が圧倒的に少ない事を物語っている。

大学3年の秋から、そろそろ就活だという雰囲気がでてきて就活について対策し始めるという人の方が圧倒的に多い。そうした意識の学生の中から、自分の会社に入る人を選ぶ人事も大変である。つい最近まで学業・バイト・遊びに時間を費やしてきた何百何千というがくせいの中から数人、数十人を見定めなければならない。

みな考えてきた自己PRや、面接の前に調べてきた企業研究などを話す学生は、真の姿ではない。仮面をかぶった学生の本質を見抜かねばならない。その日初めて会った人であるため、それは運の要素の方が高いだろう。

これは学生側も、企業側もメリットは少ない。学生は志望動機や企業の魅力などを聞かれるため前もって情報を分析し思ってもいないことを言わざるをえない。企業側は相手の熱意を聞くために仮面をかぶった学生の話をきかなくてはならない。ここの時間に何の意味があるのだろうか。ただ、天が定めた運に従うのみである。

 

しかし、通年採用となればこの意味のない作業的就活から脱却できる。

大学三年の秋からという認識は無くなり、1,2年から内定を持っている人もいるかもしれない。4年の秋に留学から帰ってきて就活をはじめ、翌年の4月入社ができるかもしれない。4年次までずっとITの研究をしていて、そのスキルを活かせる企業から声がかかるかもしれない。

様々な可能性が一気に広がる今回のルール変更。私はこれを評価したい。

学生の就活への心構えも向上するだろう。1年2年は就活はまだいいという風潮は消え去り、早めにインターンシップなどに参加し業界や企業と接点を持ち知識を深めることで、自分の働きたいと思える企業と出会える。現在では少数派であるが、今後増えるだろう。

そしてもう一つ議論に上がっていた実質3年間の授業は短いという指摘。これも正論だと感じる。現在の大学生は3年次でおおよその卒業単位が取得できる。(医学部や教員など例外もある)。そして4年次は就活、終わったらあとは自由というスタイルが一般的だ。この時間を語学や教養の習得に費やすことは極めて効率的だと思う。

こういう事を言うと、「学生の個性を伸ばす時間が減る」「自由な時間こそ大学生だ」という声があがるだろう。しかし、その姿が大学生という認識は世界では存在しない。世界で大学生といえば勉強・研究で大忙し。遊んでいる時間など殆どないという認識がある。それはもちろん大学は勉強する場所であるから当然といえば当然である。

しかし日本では大学生は時間がたくさんあって遊べるという場所になっている。これでは世界で活躍できる人材になるとは到底思えない。実業家の方たちは口をそろえて「学校は意味がないから行くな」という事を言う。しかし、それは日本の大学の話をしているのであってスタンフォードやハーバードに行く人を止める実業家はいないだろう。それはなぜか、学ぶ内容が全く違うからだ。今回は就活一括採用がメインなので説明は他の記事にまわすが、日本の大学は人を育てるという大本の義務を果たせていないように思える。

かつて世界のトップ企業は日本企業がトップ10の殆どを占める勢いだったのに対し、現在はアメリカ中国のIT企業が上位を独占し、日本は40位台にトヨタがやっと出てくる現状だ。

何が日本の企業を衰退させたのか。大学教育なのではないか。企業は人だ。人が企業をつくる。

この就活ルール変更が日本にどんな風を吹かせるのか、楽しみだ。

大学生のみんな、がんばろう!

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