子どもの教育で一番大切なこと。親の価値観をおしつけるのは善か悪か

ガキの頃の自分は、今の自分を見てどう思うだろうか。

今の自分は、ガキの頃の自分に胸を張って幸せだと言えるだろうか。

人生とは、夢とは、幸せとはなんだろうか。

これは生き続ける限り決して埋まらない心の1ピースである。

ある人は言う。人生は夢だらけだと。

またある人言う。人生は地獄のなかの地獄であると。

 

人となりというものは教育がものをいう。

その人がどんな教育を受けてきたかが人生を左右する。

教育は人間の成長において、伸びしろを増やす作業だ。

自分の受ける教育をやり直すことはできないが、今度は自分が教育する側になっていく。

子どもの伸びしろを目いっぱい増やしてやろう。

 

 

教育はその人の性格や考え方を決めるといっていい。

教育は思想と言い換えることができる。

思想がその人を作り上げるのだ。

会津戦争をご存知だろうか。戊辰戦争の戦いのひとつで、薩長クーデター軍と会津藩・奥羽越列藩同盟の人々が戦った。特に会津藩のひとたちは総力戦であった。老人から子どもまで、男女問わず鶴ヶ城と命運を共にする決意であった。白虎隊の悲劇で知られる白虎隊の十六~十七歳の子どもたちの戦いはここであった。

文字通り死ぬ覚悟で、藩とともに粗暴な新政府軍と戦う覚悟を全員がもっていた。

この意志の強さはどこからくるのだろう。なぜ到底勝ち目のない戦いとわかっていながら全員が立ち上がったのか。

それは、会津藩の教育をみるとみえてくる。

 

 

会津には「什の掟」というものがあった。

什とは地域ごとに分けられた、今でいう学区で分けられた子どもたちのグループである。それぞれ什長がおり、什長が「什の掟」を訓示したり、全員で唱和したりした。「什の掟」は会津武士の思想を形作るものであった。

「什の掟」とは以下のものである。

 

・年長者の言ふことに背いてはなりませぬ

・年長者には御辞儀をしなければなりませぬ

・虚言を言ふ事はなりませぬ

・卑怯な振舞をしてはなりませぬ

・弱い者をいぢめてはなりませぬ

・戸外で物を食べてはなりませぬ

・戸外で婦人と言葉を交へてはなりませぬ

ならぬことはならぬものです

 

 

この「什の掟」の本旨は末尾の

「なるのことはならぬものです」

にある。やってはいけないことは、何があってもいけない。理屈ではない、ダメなものはダメだといっているのだ。

現代の感覚ではありえないような教育だと思うだろう。こんな事を言おうものなら、子どもの権利やら個性やら自由やらを唱えてバカ騒ぎする輩が沸いてくるだろう。

しかし、子どもの教育とはこれが正しい姿だと思えてならない。

「教育」とは親の価値観を押し付けるものである。これは良い、あれはダメだと躾をすることが要なのだ。

今の親が声高く叫ぶ子どもの自由尊重や権利やらは、押し付ける価値観を持ち合わせていない親のみっともない悪あがきだ。価値観を持ち合わせていないから、事の良し悪しの判断を自由意志尊重などと言って子ども側に丸投げしているのだ。

それではしっかりした子には育たない。親から譲り受けた価値観が基盤となって、その後さまざまな事を自分の価値観と照らし合わせて吸収していく。そのうちに、価値観は変化していき、子ども独自の価値観へと進化を遂げる。それはダメなものはダメという一貫性のあるものを受け継いでいる。

しかし、親から価値観を植え付けられなかった子どもは事の善悪を関係なしに勝手にあれこれ吸収していく。しかし、価値観の基盤がないため一貫性のないカオスな価値観が形成されていく。この結果、現代では優柔不断で決断力に欠けた頼りない人間が世に溢れかえってしまっている。無能な上司や無能な若手などと揶揄されるが、無能なのではなく、事の良し悪しがわかっていないのだ。ある面では良くてある面では悪い、どうしよう、と。

現代はある面で良くてある面で悪い事ばかりだ。それを決定する決断力はダメなことはダメという価値観がないと到底できることではない。

 

 

子どもに親の価値観を押し付けることは必要だ。経営者一族の子どもは幼いころから経営者的ものの見方、考え方を植え付けられる。その子は、子どもの自由を尊重されて価値観を押し付けられなかった子どもとは別次元の成長をみせるだろう。

金持ちの子は金持ち、庶民の子は庶民というような言葉はまさに的を得ている。庶民の子がめったに金持ちになれないのは親が貧乏だからではない。親から価値観を押し付けられなかったからだ。価値観が一貫しておらず優柔不断な人間になるからだ。

だからまず、子ども教育をするには自分自身が様々な知識を持ち合わせていないと到底できるものではない。子どもに教えてあげられることが少ないと価値観は育たない。

 

 

子どもは親の影響を多分にうける。東大生の60%が親の年収が950万円を超えている。世の中で見たら数十%の高級取りだ。頭の良さ、知識の量、決断力の高さが年収に影響を与えると研究結果がでているように、親の知識と子の成長は関係している。

子育ては愛情さえあれば確かにできるが、ちゃんとした教育を与えてあげなければ立派な大人に育たない。子どもが就職したとしても、夜な夜な酒を飲みながら社会や会社の悪口を言う大人に育ったら嫌だろう。

 

 

子どもの自由意志などという言葉に逃げずに、真正面から子どもと向き合って価値観をおしつけてやってほしい。

ならぬことはならぬのです。

コメント

  1. […] 子どもの教育で一番大切なこと。親の価値観をおしつけるのは善か悪か […]

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